iMac2019(27インチ)でVRカノジョを遊んでみた話
僕が所持しているiMac2019(27インチ)の最上位モデルは一応VRレディの性能を持っているので、そのうちVRで遊んでみたいなと思っていたのですが、実際にどの程度のクオリティで遊べるのか疑問もあったので、勢いでVR機器は買えないなあとも思っていました。
ネット上には、iMacでのVR体験談的なものはほとんどないですし。
そんな中、ふと思いついてネットを検索してみたら、やはりありました、VR機器のレンタルサービス!
サービスを提供している会社によって価格はマチマチですが、僕が狙っていたOculus Questの場合、2020年7月現在では一週間で約7000円というのが最安な感じっぽいでしょうか。
各社ともQuestはけっこう人気のようで、しばらく品切れ状態が続いていてたのですが、先日、ようやくレンタルすることができたので、その時の感想等を書いていきたいと思います。
ちなみに、今回利用したのはアストネスという会社のサービスです。
astoness.com
Questのシステムアップデートがかなり長い
レンタルしたQuestが到着した段階では、初期化状態だったので、まずはスマホ用のOculusアプリと接続し、システムのアップデートから始める必要があります。
スマホアプリとの連携自体は手軽で、特につまずくこともなくサクサク進んだのですが、Questのシステムを最新版にアップデートするのにはけっこうな時間がかかりました。Wi-Fi経由というせいなのか、それともQuestのSoCに由来するものなのかはわかりませんが、たぶん終わるまでに2時間くらいはかかったんじゃないでしょうか。
PSVRよりも小型で、一見すると軽量な印象だが装着感は良くはない
僕はPSVRは自分で購入して持っているので、比較しつつ書いていきます。
↑の写真の通り、Questはゴーグル部分だけの製品なので、大ぶりなヘッドバンドがあるPSVRに比べると、だいぶスッキリとして見えます。実際、手に持った時の印象もなんとなく軽い気がしますが、実際は40gほどの差のようです。
しかし、「40gとはいえ軽いのならば長時間の装着感も少しは楽なのでは?」と期待したのですが、これが全然でした…。
しっかりとしたヘッドバンドがあるPSVRとは違い、ゴーグル部分しかないQuestは重量のバランスが前側にしかありません。そのため、常に前側にずり落ちてきそうな感じに襲われて、装着時はずっとストレスを感じるほどでした。バンドの長さは色々と調整してみたのですが、これは解消できないままでしたね。
PSVRでは、画質の物足りなさはありつつも装着のストレスはほとんど感じたことはなかったので、これはちょっと意外な点でした。
また、Questはゴーグル部分の内径がちょっと狭くて、メガネの横幅次第ではグイグイと押し込まないと、横側が干渉してしまってメガネが入りません。
顔と接する部分がそこそこ硬いクッションになっているので、それなりに力を入れないとメガネが入らないんですよね。
ただ、返却間際に気づいたので試す時間がなかったのですが、眼鏡スペーサーという付属品が同梱されていました。これを使うと便利になるのかもしれません。
一方のPSVRは、内径も広めですし、顔と接する部分はフニャフニャの薄いゴムなので、干渉してもスルッとメガネは入ります。まあ、PSVRはこのゴムの部分の匂いが鼻につくという欠点はあるのですが、メガネユーザーに優しい作りにはなっていると思います。
PSVRよりも視野が狭い感じがする
PSVRではゴーグルを覗くと、双眼鏡を覗いた時のように視野の周囲に黒枠部分があります。Questではこれは軽減されるものだと期待していましたが、これもイマイチでした。
PSVRよりもさらに黒枠が大きくて、「VRの世界にいる」というよりは「VRの世界を覗き込んでいる」という体験になる感じです。以前、店頭デモで触ったVIVE(製品はなんだったか失念)は、この黒枠がほとんどなくて感動したんですが、VIVEとOculusではやはり差がある感じなんでしょうかね。価格もだいぶ違いますし…。
Questで色々と試してみる
今回、Questでは以下のものを試してみました。
それぞれについて、軽く書いていこうと思います。
Questスタンドアローンでの「Beat Saber」
OculusのQuestストアには、無料の体験版もいくつかあるので、その中のBeat Saberをプレイしてみました。
初プレイでしたが、遊び方自体は動画等で知っていたのもあり、初見でも楽しくプレイできる感じでしたね。
ネット上のレビューでは、ケーブルレスのQuestが一番動きやすく遊びやすいというものもありましたが、先述したとおり重量バランスが悪いので、個人的にはケーブルがあってもPSVRで遊びたいなあ…という印象でした。
Questスタンドアローンでの「DMM VR動画プレイヤー」
ストリーミングでのみ利用できるPSVRと違って、Questではさらに高画質のUHQ品質のものがダウンロードできるというのが大きな違いです。
まあ、高画質ゆえに動画をダウンロードするのにかなり時間がかかるので、事前に準備しておかないと、文字通り全裸待機する状態になりそうですが…。
で、肝心の画質なのですが、長時間ダウンロードで待たされた割には、ストリーミングのHQ品質とそれほどの差は感じませんでした。
とはいえ、これは元の動画の質にもよると思うので、僕が購入している動画ではUHQの本質を体験できなかっただけかもしれないです。
Quest Linkでの「VRカノジョ」
さて、本命の登場です。こればかりはPSVRでは体験できないですからね。
ちなみに、iMac2019(27インチ)のSteamVRのベンチマークはこんな感じになっています。
正直、それほど高性能ではないです。GTX1060よりもけっこう下で、Radeon RX570とほぼ同じか少し低いくらいな感じでしょうか。
一応、標準の画質で実行すると星3つがついていますが、これはゲーム起動直後に実行した時のものです。
ゲームを起動しているだけでもけっこう負荷がかかるらしく、常にiMacのファンが回り、もう一度ベンチマークを行うと星2つに減っていたりしました。
とはいえ、特に気になるフレーム落ちだったりテクスチャの貼り遅れがあったりするわけではないので、過度な期待をしなければ普通に遊ぶことができます。
実写の映像では、PSVRとの画質の差をあまり感じられなかったQuestですが、3Dゲームでははっきりと高精細さを感じ取ることが出来ました。
PSVRはどうしてもジャギーというか粒状感がありますが、Questは通常のPCモニタで見ているような感じで、ポリゴンのエッジもシャープですし、画質面での不満はありませんでしたね。
ちなみに、iMacとの接続にはUSB2.0ケーブル(Quest付属の充電ケーブル)を使用しましたが、特に問題なくQuest Linkを利用することができました。
参考までに、Questに関係のないVRカノジョの感想を言うと、Steamのレビューにある通り「妙に日本語が不自然な女の子」だったのと、シナリオがあってないようなものなので、感情移入はしづらかったです。
VR黎明期のゲームということもあるでしょうが、システムも不親切な部分が多いのも難点です。
紳士的な方面では、胸を触る手が肌からだいぶ浮いてたりするのが残念な感じでした。そこは重要なところでしょうに…。
それと、まあこれは人によるとは思いますが、R18的な部分が思っていたほどには刺さらず、「うーん、一度見ればもういいかな」くらいの印象だったのが個人的にも少々意外でした。
結局、触覚へのフィードバックがなかったり(胸に触ったりするとコントローラは振動しますけど)、こちらから干渉できる要素が少ないので(胸を触ったり体勢を変えたり、髪を触ったりとかはできるものの、リアクションが豊富なわけではなく素っ気ないんですよね)、眼前でR18的な行為を繰り広げられてもどことなく他人事というか、「ふーん」な感じが否めないのです。
VRカノジョでは、自分から女の子の顔に近づいてキスするシーンもあるんですが、これはこのシーンだけの要素のようで、いつでもキスできるわけじゃない、という謎仕様なのも良くないのだと思います。
実際、一番楽しいのはこのキスシーンなんじゃないのかなあ…とか思ったりも。ここは触る箇所や時間なんかで返ってくるセリフの種類も豊富ですしね。
VR内の世界を自分事として楽しむという点でいうと、PSVRのゲームで頑張って女の子のスカートの中を覗こうとしたりする方が、主体的にVR内の女の子と接している感じになって楽しい気がするので、なかなかVRって難しいものだな…と妙に冷静に思った次第です。
あ、ちなみにOculus Linkを使う上での注意点ですが、Questに映っている画面が、PC上にもミラーリングのような状態でバッチリと映っています。
モニタの電源を切れればいいんですが、iMacのような一体型PCの場合はそうもいかないので、利用時にはくれぐれもお気をつけ下さい…。
Questのまとめ
Questの利用前は、「PSVRよりも高価なんだし、全てにおいて高性能なのだろう」と思っていたんですが、重量バランスが微妙だったり、視野の黒枠が気になったりと、予想外に不満点が多い印象でした。
中でも、重量バランスが悪いせいで装着感が良くないのは個人的には致命的で、「ぐぬぬ…PSVRはこんなにストレスに思うことないのになあ」と何度思ったか。VIVEは構造的にPSVRに近そうなので、これほど不満に思うことはないんですかね。
また、スタンドアローンで利用できる、という点に関してもそれほど利点には思えなかったので、利用前は「買うならQuest一択だなあ」と思っていた僕ですが、今は「機会があればVIVEも試してみたいなあ」という風に変化しました。
まあ、本命であったVRカノジョを試した今、積極的にPCVRをやる理由もあまりないので、しばらくはVRをやるにしてもPSVRで満足しそうです。